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<東三河のキラリ人 VOL.5 >都会では学べないこと「NPO法人とみやま交流センター」の山村留学 西井浩隆さん

Vol.005

都会では学べないこと「NPO法人とみやま交流センター」の山村留学 西井浩隆さん

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平成十七年の豊根村との合併まで「日本一小さな村」として知られていた豊根村の富山(とみやま)地区。
今日は、その富山で小中学生を対象とした山村留学事業に取り組んでいる「NPO法人とみやま交流センター」におじゃまして、お話を伺いました。

インタビューに答えてくれたのは、子供たちの指導員として活躍されている西井浩隆さんです。
西井さんは春日井市出身の三十歳。
富山に来る前は、ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在していましたが、平成二十一年に帰国後、田舎に住みたくて指導員に応募しました。
趣味は、ギターを弾くことと料理だそうです。

とみやま交流センターではどのような活動をしているのですか。

山村留学「栃ノ実の里」事業に取り組んでいます。
この事業を通じて、地域社会の活性化に貢献することがNPOとしてのポリシーです。
豊根村と指定管理者契約を結び、豊根村山村教育交流センター「清山荘」と豊根村教育文化センター「森遊館」の運営もしています。

「山村留学」といってもご存じない方も多いと思いますが、どのような取組なんでしょうか。

都市部の子どもたちにしばらく親元を離れて農山村で生活させ、様々な生活体験・自然体験を積んでもらいます。
子供たちの心の豊かさを培い、それぞれの人生に向かって独り歩きさせることが目的です。
この事業は旧富山村が取り組んでいたものですが、合併を期に設立された当NPOがその趣旨を引き継ぎました。
富山の場合、留学期間は一年単位で、参加している子供たちは、共同生活をしながら、小中一貫教育を行っている富山小中学校に通っています。
今年度は、小学三年生一名、中学一年生二名、二年生一名の四名が留学中です。

子供たちはどんな生活をしているのですか。

朝六時半に起きて、自分で洗濯と掃除をして、しっかり朝ごはんを食べてからみんなで学校へ行きます。
私たちが指定管理をしている「清山荘」で寮生活しているんですが、テレビはなし、ゲームもダメ。
ご飯も指導員といっしょに作ります。
初めて来た子は最初、何をしたらいいかわからなくて、途方にくれていますが、慣れれば元気に暮らしはじめます。
土曜日、日曜日も、ピザ作りやハイキング、お茶摘みなど、いろいろな活動をやっています。

都会ではなかなか得られない体験ですね。

私たちは、夏休みなどを利用して、一泊から二泊程度の短期山村留学もやっているのですが、子どもたちは、この短期山村留学を体験して、自分の意思で目的を持って、山村留学しています。
都会の子の中には、魚にすら触ったことのない子もいたりするんですが、一年間、富山で生活すると、とてもたくましくなりますよ。
虫とかも平気で手づかみしたりしてます。
中には、元の生活に戻れば元通りになってしまう子もいるみたいですが(笑)。
それでも人生のどこかでこの体験は活きてくるんじゃないかと思います。
帰った後も、富山の行事に参加してくれる子もいます。

馴染めない子もいたりするんですか。

小さい子などは、慣れるのに時間がかかる場合もあります。
それでも、年長の子たちがちゃんと面倒を見てくれて、いつの間にかいっしょに駆け回っています。
馴染めない子もいたりするんですが。
うちの山村留学は、途中で新しい子供は入れないんですよ。
十人までは受け入れ可能なんですが、今年は四人。
途中で入りたい方が出てきても、来年まで待っていただきます。
一年間同じ仲間で暮らし、チームとしてしっかりした絆をつくることがとても大切だと思っています。
それに、富山の人たちみんなで面倒をみてくれるので、何から何まで僕たちがやる必要がないんです。ありがたいですね。

西井さんを含めて指導員の皆さんは、何名みえるんですか

指導員は四人います。みんな富山に住んでいます。
※ 取材後に新しい方が入って、現在は五人。

西井さんご自身は、富山に住んでみて、どのように感じますか。

コンパクトなまちで、暮らしやすいところです。
買い物は、車で飯田や新城に行きます。
お年寄りが元気ですね。
六十代、七十代の人といっしょに飲んだりすることは、他では考えられないじゃないですか。
みなさん気さくな方でとても楽しいですし。
年長の方ばかりなので、僕のように若い人間にとってはある意味で気が楽です。
お正月の御神楽祭りは氏子として出させてもらってます。
あの雰囲気は体験しないと絶対わからないです。
ぜひ一度見に来てください。もったいないです。
冬休みでなければ子供たちにも体験してもらいたいのですが。

これから、夏になります。忙しくなりますね。

子供たちは、長期休暇になると親元に帰るのですが、僕たちは忙しいです。夏休みには、短期山村留学を行います。
キャンプや川遊び、餅つき、工作、染め物等をやります。
どこからでも参加できます。
大人向けの一泊二日の体験もあります。
伐木体験、ゆべし、ゆずのジャムやこんにゃくを作ったり、山の暮らしを楽しめます。
こうした取組を通じて、山村留学をたくさんの人に知ってもらい、留学生を増やしたい。
これはNPOの目標でもありますが、子供が増えると、村の中が明るくなりますから、続けていきたいと思います。
五月からロバを飼うことになっています。
子供たちの暮らす清山荘の隣に、今、富山の人たちが小屋と柵を作ってくれています。
名前は公募する予定。
子供たちで世話をします。
キャンプで荷物を運んだり、チーズを作ったりしたいと考えています。
そして慣れたら、駅から人を運んだり、ミルクでパンも作りたい。
地域おこしの材料になればいいですね。
山村留学は、地元の子どもがいないと成り立たないので、富山の子供が一人でも増えるといいですね。

出典

「キラッと奥三河 ―人・物・文化・企業―」
No.13 都会では学べないこと NPO法人とみやま交流センター
訪問日 平成23年4月28日
訪問者 新城設楽山村振興事務所 山村振興課 内藤、伊藤、杉浦

 

(転載/穂っとネット東三河

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