天竜区二俣町の国登録有形文化財「筏問屋田代家住宅」の東隣で近年見つかりました、地域遺産の建物「鹿島の船宿」の内部が平成29年11月19日まで(土、日、祝日のみ)公開中です。
この船宿は今からおよそ120年前に田代家が船頭らの船宿休憩施設として建てたそうです。柱や梁には主に天竜産ヒノキが使われた立派な建物です。船宿であったこの建物の間取りや使い方は、他ではあまり見られないそうです。1階に土間、居間、帳場。2階が宿泊休憩所に使われていたと見られる部屋があります。川の船頭らの船宿休憩施設の建物が残されているのは全国的にみてもとても珍しいそうです。船宿内では、天竜川の歴史や船頭らの暮らしなどを紹介する「天竜川水運物語展」が開催されています。
同時展示として、「筏問屋田代家住宅」にて「まぼろしの城『鳥羽山城物語展』」が開催中です。
鳥羽山は眼下に天竜川、そして遠州平野を一望できる魅力的な場所にあります。地元の人は古くは本城山と呼んでいたそうです。1575年には、徳川家康が二俣城を攻めたときに本陣を構え、その後、整備、拡張され、二俣城と別郭一城の城として機能しましました。全国的に珍しいといわれている大手道、枯山水の庭園遺構、が残っています。鳥羽山城は、不思議なことに文献がなく、「まぼろしの城」といわれてきました。
今回の展示では、「まぼろしの城」鳥羽山城の謎を紐解く、新たな仮説も紹介されています。
「実は鳥羽山砦があった場所は、現在伝えられている所ではなく、別ではないか‥‥」という仮説です。仮説にたどり着く過程を今回の展示で詳しく紹介されています。江戸初期に二俣城を攻められた子孫の言葉や、鳥羽山という地名が現在の鳥羽山城址のある位置ではない等、様々な資料から、新たな鳥羽山砦の位置を探っていきます。
まぼろしの城『鳥羽山城物語展』は、歴史やお城に興味のある方はもちろん、みなさんに楽しめる展示となっております。
筏問屋田代家
住所 〒431-3313 静岡県浜松市天竜区二俣町鹿島489−1
開館日 土曜日、日曜日、祝日(12/28〜1/4を除く)12月〜2月は日曜・祝日のみ
開館時間 10:00〜16:00