音楽のまち浜松/楽器職人名鑑 岩上勝(チエンバロ・大正琴) vol-1
岩上勝、チェンバロや大正琴などの古典楽器の匠。チェンバロは、ヨーロッパの古典楽器や古図面を参考に現代風に復刻、大正琴を改良したゆみ琴も生み出した。ライアーやウクレレも製作。岩上氏は昔からモノづくりが好きで子供の頃からラジオでバロック音楽ばかり聴くことが日常であった。本当はギターを作りたかったが何事にも手を抜かずに職場で作業することで、一人前のチェンバロや大正琴はもちろん他の楽器を作ることもできる技術を修得。 大正琴をお年寄りが座って弾いているものから、若い人向けに地味さをなくすためにカラー化、ハート型琴を作り、楽器を進化させている。だから流派ごとによって色、形を変えることもできるので特定の楽器を売るだけではなく楽器を弾く人の立場に合わせて作っている。工房では楽器修行中の職人がいて、岩上さんは弟子が仕事をする音で失敗したかが分かることができる。そのため危ないことはその手前で止めることができ、弟子教育も熱心に取り組んでいる。
チェンバロ、大正琴の匠 岩上勝 氏談
楽器職人を目指すには努力が必要です。ともかく努力しかないです。私が若いころは「ギターも作りたいからチェンバロ作らない」ではなくて、この作業でも頑張らない奴はこの場所で出来なきゃ、ほかの場所でもできるはずないと思っています。苦手だから人一倍頑張ることが大事です。どこの職場でもここで一番になってやる、とベストを尽くす事が必要です。大手の楽器だと1つの作業しかやらせてくれないので1年も経たないうちに1人前になることができます。1つの作業工程をやり続けて1人前呼ぶ、それはとても非人間的だと思います。すると仕事に対しての魅力も感じないし、行動意欲もわきません。自分が作ったものが完成して楽器となって人が使う、そうゆう夢が全くないのです。この工房には夢があります。楽器も売るし、夢も売っているのです。
http://sansogakki.wix.com/sanso-main
資料提供/一般社団法人グローバル人財サポート浜松