<東三河のキラリ人 VOL.8>地域と自然、人と人をつなぐ博物館を目指して 「鳳来寺山自然科学博物館」 館長 加藤貞亨さん

Vol.008

地域と自然、人と人をつなぐ博物館を目指して 「鳳来寺山自然科学博物館」 館長 加藤貞亨さん

  • 学術部門

今回は新城市門谷にある鳳来寺山自然科学博物館の館長、加藤貞亨学さんを訪問しました。
今年で開館47年、約半世紀もの歴史をもつ鳳来寺山自然科学博物館には、奥三河地域を中心に地質、植物、動物等に関する莫大な資料が収集・蓄積されており、愛知県の自然の歴史を語る数少ない自然博物館の一つとなっています。
加藤さんは博物館の館長兼学芸員として、郷土の豊かな自然を活かした自然観察会や展示による教育普及活動を中心に、奥三河地域の自然調査・研究、資料の収集・保存など、多岐に渡って精力的に活動されています。
今回の取材では地元出身の加藤さんならではの視点から、館内の展示を交えてふるさとの自然の魅力を存分に語って頂きました。

博物館を希望された理由は?

ひとつに自分の地元だということがありましたが、今まで自分がやってきた事が活きるかどうかは別としても、こういった自然のことに関わる仕事というのは非常に魅力がありました。
もともと鳳来という地域が大変自然の豊かな地域であり、全国的にもよく知られているということもあって、そこの自然博物館にやりがいと魅力が感じられたことです。

自然が相手の仕事では、実際にやられて苦労したことも多いのでは?

そうですね。
一番大変だったのが何もかも全く分かっていなかったということです。
自然の仕事に漠然とした魅力を感じて仕事を始めたため、最初の頃は実際にお客さんに聞かれて、分からないことを調べての繰り返しでした。まさにゼロからのスタートでした。

館長さんの思う鳳来自然科学博物館の特徴は?

観察会や展示会に力をいれていますが、特に観察会では子供さんの参加率が非常に高いですね。
そのベースには、博物館の一番の特徴でもある『友の会』という組織があります。
今年度では650人以上の皆さんが入会していただき、博物館により近い立場で、サポーターとして、またはリピーター、パートナーとして関わっていただいています。
そのように施設にいる人間だけでなく、博物館と関わってくれている人々と上手く連携をとりながら活動を広げていくことも考えていきたいです。
人のつながりをしっかり構築することによって、将来的には博物館からだけでなく、地域全体から情報発信できるようになればと願っています。

最後に、様々な活動を通して、館長さんが子供たちに一番伝えたいことはどのようなことでしょうか?

まず実物に触れると言いますか、本物を知る機会を出来るだけたくさん持って欲しい。
それは子供たちだけでなく、大人の人がそのような機会をどんどん作ってあげないといけないということも伝えたいですね。
子供だけで川に行くのも難しい時代になっていますから。
ただ、それは世の中全般の流れでもありますし、それが出来ないなら、うちの博物館での観察会や展示会なんかを通して、より多くの子供たちに実物に触れてもらう。
本物に接してもらえる機会を作ってあげたいと思います。

出典

「キラッと奥三河 ―人・物・文化・企業―」
No.9 地域と自然、人と人をつなぐ博物館を目指して 加藤貞享さん
訪問日 平成22年9月15日
訪問者 新城設楽山村振興事務所 環境保全課 石川、加藤

 

(転載/穂っとネット東三河

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