浜松楽器職人名鑑 伊藤敏彦(ギター) vol-9
伊藤敏彦さんは身内が畳職人だったこともあり、昔からモノづくりが好きだった。体不調で会社を辞め、大好きなギターを作ったとき、人生1度だからどうせならやりたいことをやろうと思い職人の道を。ギター作り修行に励み、ギター製作のことなら1から10まで頭に入っていった。しかし、自作ギターの試奏会において、ギター作りの先輩と自分の音が違うことに気付く。何度か試奏会でチャレンジするが先輩のような良い音を出すギターを作ることはできなかった。そこで木の音を聞く(木を叩く)ことで、木と会話しながらギターを作ることを始めた。また、国家技能検定一級技能士の資格をとるなど勉強時間なども惜しまなかった。結果種類は同じ木でも1つ1つ木は違うということに気が付いた。材料が異なるならばギターも1つ1つ新しいものを作らなければならない、こうして伊藤敏彦さんの音は作り上げられていった。フォーク、クラッシックも作る。クラッシックギターの組み方でフォークギターを作る。 ギターは木をいかに乾燥させるかが大事だが、乾燥において独自の方式を生み出す。こだわりすぎるほどにギターを作り、欲しい人に安価で提供したいと考える。
伊藤敏彦さん談/もし私に向上心がなかったらギター職人になることはときなかったでしょう。勉強は嫌いでしたが、常に勉強しました。ギターは自分の名前が出るし、決して悪いものは出すことができません。魂を込め、いいと思うことをやるように常に心掛けています。元気なうちは好きなことをやるのが一番だと本当にそう思います。これからは健康のためにも若い人とたくさん話したいです。だから、私の経験を活かして小中高で依頼があれば講演に行っています。人間誰だって、絶対何か才能を持っています。それを身につけていくために諦めないことが大切だと若い人たちに伝えたいです。
資料提供/一般社団法人グローバル人財サポート浜松