浜松楽器職人名鑑 岩本良一(ピアノ) vol-17
岩本良一さんは小さい頃、親戚にピアノ店へいった際に展示されていた一台のピアノに客がいろいろな感想を言うことに面白味を感じてこの世界に入った。50年以上にも渡りピアノ一筋だという。はじめ浜松の北海木材でシュベスターピアノ製造用のピアノのケース作りをしていた。その後1963年頃から1975年まで村田ケースで同様にピアノケース作りをし、この間蒲田の工場でピアノ製造修業。1981年にエスピー楽器製作所を立ち上げる、シュベスターピアノのブランド名と製造は岩本氏に引き継がれることになった。社名のエスピー(SP)はシュベスターのS、ピアノのP。
エスピー楽器製作所で製造されているピアノは音色や音質、音量に大きな独自性がある。現在の大手ブランドのような金属的音ではなく、鳴りから脱し、柔らかく疲れない音を意識。エスピー楽器製作所のピアノ作りは、響板は赤エゾ松を、支柱には秋田県のブナ材を使用。木材は樹齢100年木材を厳選した後数年に渡って乾燥。ワイヤーはドイツのレスロー製使用。日本でピアノを製造する際、ヨーロッパやアメリカなどの外国製ピアノをそのまま模倣しても、日本の気候、風土が外国と異なるため不具合が生じる。そのため良いものができるように設計から努めている。
岩本良一談/ピアノ製作はまだ研究途上であり、面白く飽きることはありません。常に求められるものを作って行きたいです。
エスピー楽器製作所(電)0538-35-6605
資料提供/一般社団法人グローバル人財サポート浜松