<東三河のキラリ人 VOL.2 >地域を元気にするために 「つくしんぼうの会」 荻野 孝子さん
Vol.002
地域を元気にするために 「つくしんぼうの会」 荻野 孝子さん
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その他
多くの皆さんが楽しみにしている「つくしんぼうのミニデイサービス」。
今日は、その会場に足を運び、荻野さんにお話しを伺いました。
「つくしんぼうの会」は、現在、約四十名の協力会員で構成されたボランティア団体。
ミニデイサービス、家事援助サービス、市民病院の院内ボランティア、弁当・特産品の製造・販売等、地域を元気にするために一生懸命に活動しています。
荻野さんは、会の発足以来会長を務めており、協力会員をまとめつつ、事業の拡大・運営に日々奔放してみえます。
「つくしんぼうの会」の成り立ちから教えてください。
- 愛知東農協(JA愛知東)が、農村の高齢者対策としてホームヘルパーの養成を行ない、平成十年までに五十名ほどが資格を取得しました。
ヘルパーさん達は、身に付けた知識や技術を活かすために、何をやったらいいのか検討を重ねた結果、平成十年にJA愛知東女性部の中の助け合い組織として「つくしんぼうの会」を発足させました。
その初代会長として私が就任することになったのです。
会の名前には、ある意味があると聞きましたが。
- 当時のJA愛知東の管内が、作手村、新城市、鳳来町だったので、その頭文字の「作・新・鳳」をとって「つくしんぼう」と名付けました。
「つくしんぼうの会」では、いろいろな活動をされているということですが、活動について詳しく教えていただけますか。
- 「ミニデイサービス」については、平成十一年頃、国が、ふだん家に閉じこもりがちな高齢者に対し、社会的孤立感の解消や要介護状態への予防を目指し、高齢者の生きがいと社会参加を促進するために「高齢者生きがい活動通所支援事業」を打ち出しました。
そして、当会がこの事業を新城市と鳳来町から委託を受け「ミニデイサービス」として開催することとなり、現在は会の中心的な活動となっています。
このミニデイサービスでは、お年寄りに一日六時間、各地区の会場で過ごしていただきますが、活動としては、ちぎり絵、折り紙、風鈴や雛などの小物づくり、体を動かすレクリエーション、お弁当やおやつを食べながらの情報交換などを行なっております。
「家事援助サービス」については、介護保険に認定されず、身の回りの支援を受けられない一人暮らしの高齢者に対して、自宅を訪問し、食事の準備や掃除、買い物など家事の援助を行なうもので、会の発足当初から実施しています。
また、「院内ボランティア」は、平成十八年から新城市民病院で行なっており、受付で困っている方への案内とか、車椅子でみえている方の移動のお手伝いなどをしています。
そのほか、できる限り地元食材を使ったお弁当や、特産品として、焼肉のたれ、りんご等各種ジャム、かりんとうなどの菓子類を製造・販売しています。
多彩な事業を行なっておられますが、運営はどのように行なっているのですか。また、ご苦労される点も多いと思いますが聞かせてください。
- 実施事業等は、会長、副会長、監事など九人による役員会及び月一回の全体定例会により決定しています。
運営経費については、市からの委託料、各サービス利用費、弁当や特産品の売上げで賄っています。
苦労はと聞かれましたが、苦労なんて全然感じません。
皆さんがミニデイサービスに来るのを楽しみにしているのがよく分かりますし、お年寄りの皆さんとおしゃべりすることで、自分も知識をもらえるし、人と人との係わりが自分を磨く場となっていると感じています。
利用者の「ありがとうね」の一言で、ますますエネルギーが湧いてきて、それが楽しみというか生きがいになっています。
だって、こちらが楽しくなくちゃ、おばあちゃんたちにも気持ちが伝わらないでしょ。
最後に、今後の会の運営や活動について、課題等を聞かせてください。
- 会としては、まず、どうすればミニデイサービスの参加者を増やすことが出来るのかということです。
今は、自力で会場まで来ないと利用できないので、その対策として、これからは送迎も考えるべきなのかなと思っています。
それから、商店が激減し、いわゆる「買い物難民」となっている人たちに何かできることはないかと考えています。
とにかく、地域の方がなにをしてほしいのかを的確にキャッチして、それに応えることが大切だと思っています。
私たちの小さな手助けで、地域の皆さんの心が少しでも豊かになればという思いで活動をしていきたいと思います。
私にとっては、会が全てです。
会が継続するためには、今必要なのは若い協力員です。
現在、一番若い人で五十歳ですが、もっと若い人に参加してもらうには、今のボランティア体制を見直すことも必要ではないかと思っています。
仕事として成り立つようになれば若い人の参加も期待できると思いますが、資金面等でなかなか難しいところはあります。
いずれにしても、この会を地域に認められるしっかりとした会にすれば、必ず後を継でくれる人はいると信じています。
それを目指して、これからも楽しみながら頑張ろうと思います。
出典
- 「キラッと奥三河 ―人・物・文化・企業―」
No.12 地域を元気にするために つくしんぼうの会
訪問日 平成23年3月11日
訪問者 新城設楽山村振興事務所 県民安全防災課 鈴木、森野
(転載/穂っとネット東三河)